脳死や心停止になった際、臓器移植のための臓器提供を望むかどうかの意思の登録手続きが、今夏から、携帯電話やパソコンからもできるようになる。従来通り有効となるには意思表示カードなどの書面に署名が必要だが、ネットを使うことで幅広く希望者を集められるうえ、家族の要望を受けて検索し提供意思の確認を早くできるメリットもある。
新システムでは、登録希望者がパソコンや携帯電話から、社団法人「日本臓器移植ネットワーク」のサイトにアクセスし、名前や生年月日、住所、メールアドレスなど必要事項を入力し、脳死下と心停止下での臓器提供に同意するか、どの臓器を提供するかを選ぶ。逆に、提供したくない意思も登録でき、変更もできるようにする。
ただし、臓器移植法では本人の「書面」による意思表示が必要とされているため、登録後、ネットワークから郵送される意思表示カードに署名するか、登録画面を印刷した書面に署名して初めて有効になる。
これまで、臓器提供の意思確認は、コンビニエンスストア、郵便局などで配られているカードによって行われており、持っていることを家族に伝えていなかったり、記載不備で提供意思が生かされなかったりするなどの問題もあった。
今後、ネットを使って登録すれば、カードの有無が分からなくても、家族の要望があれば検索し、意思を確認することができる。
内閣府の04年調査では、カード所持率は10.5%。厚労省によると、臓器提供意思のネット登録は、英国やオーストラリアなどで導入されている。
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意思表示の件数が広まるのは有効ですね。法律が改正されて「家族同意案」が認可されれば、ネットワークは有用でしょう。
が、現状は「本人の意思」のみが頼りです。ネットで登録するとドナーカードが送られてくるようですが、どうかそれにサインしてお財布の中へ。それだけです。それだけで、あなたの意思は他の人に明確に表示されるのです。
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