田中康夫知事が、高度小児専門医療を担う「県立こども病院」(安曇野市)で、一般の小児科診療などを行う方針を示したことについて、同病院の患者と保護者13人が4日、県庁を訪れ、田中知事に方針の撤回を求めた。
「県立こども病院」は小児がん治療など高度な医療を提供するため、93年開院。救急患者を除き、原則として医療機関から紹介された患者を受け入れている。現在は小児科、産科などを設け、51人の医師が在籍し、県内外から患者が集まっている。
保護者らは同病院の医師が「難病患者の診察に追われている」と指摘。現状で発熱などの患者の治療を行えば「免疫の弱い子どもが感染症にかかる危険があり、子どもたちの命をも脅かす」と主張した。
保護者の一人、三井田なおみさん(37)=長野市=は、「一般医療の受け入れ方針を知ってから、ずっと気にかかっていた。患者や保護者の思いを知事に伝えたかった」と話した。一方、田中知事は県の方針に変わりがないことを伝えた。
田中知事は2月県議会で、小児科医・産科医不足などを背景に、一般診療を受け入れていく方針を表明。これに対し、同病院の石曽根新八院長が「医療水準が低下する」などとして反発し、定年前に退職した。知事は新病院長が決まる5月以降をめどに、具体的な体制作りを進める考えを表明している。
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上記記事の続きですね。当然のようにお母さんからの反発があったようで。こういう行動力は凄いと思います。
確かに、風邪の子供などを見続けた医師が、難病の子供たちも診るわけですよね。そこのところに無理が生じないことなんてあるんでしょうか。まぁ…知事からすれば、県全体のメリットとなる一般診療のほうを選択するのも間違いではないと思うんですけど、結局それは少数を黙殺していることに他ならないのではないでしょうか。
自身、または家族に生じて初めて解かる、難病の辛さ。