脚の血管が詰まる閉塞(へいそく)性動脈硬化症に対する日本初の遺伝子治療の臨床試験(治験)が、全国51施設で実施されている。県内では唯一、高知市の近森病院(近森正幸院長、大川筋1丁目)が参加。この治療法は、新しく血管を作らせる遺伝子を注射し、血流を再開させるという画期的なもの。
同病院で治験の責任医師を務める赤松順・形成外科部長は「激痛に苦しんだり、ほかに選択肢がなくて脚を切断せざるを得ない患者さんを救い、QOL(生活の質)向上につながれば」と期待している。
同硬化症は糖尿病や高血圧、高脂血症、喫煙などによる動脈硬化が原因。症状は脚の冷えやしびれに始まり、進行すると歩行中に痛みで動けなくなり、重症化すると安静時でも激痛が走ったり、潰瘍(かいよう)ができる。薬物療法や血行再建術などで治療できず、脚の切断に至るケースも少なくない。
今回の治験で使用するのは、肝細胞増殖因子(HGF)の遺伝子を組み込んだ薬。HGFには強い血管新生作用があり、血流の詰まった部分の周囲に筋肉注射することで、その部分を迂回(うかい)する血管が作られ、血流を再開させると期待される。
この治療法は大阪大で開発され、同大付属病院で行われた臨床研究では22例中、約6割の患者で血管が新生され、病状が軽減されたという。
対象となるのは、既存の治療法では病状が改善しない40―84歳の重症患者。効果の正確な把握と安全性重視の観点から、がんや肝炎、重症の腎疾患などを持つ患者は対象から除外される。
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閉塞性動脈硬化症にならないよう、日常で気を付けるべき点は
1.煙草を吸わないこと(ニコチンは血管を収縮させる)
2.靴下などで足を保温する(血行を良くするため)
3.よく歩くこと(注:痛むまで歩くのは逆効果)
4.水分補給(血液をさらさらに)
5.毎日、脈を測ってみる(脈が触れないと要注意)
とにかく、異常を感じたら病院へ。ほっておくと壊死してしまいます。
今回のニュースとなっている閉塞性動脈硬化症の治験に関してはこちら
参考:循環器病情報サービス