急性緑内障で神経障害が起こるメカニズムに「グルタミン酸」が関与していることを、秋田大大学院医学系研究科眼科学講座の石川誠講師(51)と吉冨健志教授(54)らの研究グループが解明した。研究論文は今月、米国の眼科専門誌「IOVS」(電子版)に掲載された。吉冨教授は「研究成果が、今後の治療法確立につながることを期待したい」と話している。
緑内障は眼圧が上がり、視神経が圧迫されて次第に視野が狭まり、放っておくと失明に至る病気。国内では40歳以上の5%が発症しているとされ、急性型と慢性型がある。
石川講師によると、急性緑内障では視神経が腫れ上がり、その後に神経細胞が死滅していくことは判明しているものの、そのメカニズムについては解明されていなかった。研究グループは、神経細胞の情報伝達に不可欠なグルタミン酸が神経を過剰反応させることで細胞を死滅させる毒性を持つことに着目。緑内障においても、グルタミン酸が何らかの原因で、視神経を過剰反応させ、死滅へ誘導しているのではないかと考えた。
実験ではラットの眼球標本を採取し、段階的に眼球に圧力を加えた。眼圧が上がるごとに視神経は腫れ上がったが、グルタミン酸の毒性をブロックする薬物を与えたところ腫れは治まった。この結果から、グルタミン酸が緑内障に関与していると結論付けた。
グルタミン酸は通常、グルタミン合成酵素によって毒性が分解されることから、研究グループは、毒性を持ち続ける原因についても調査。酵素の働きと眼圧の関係を調べた結果、眼圧が上がると酵素の働きが落ちることも突き止めた。
グルタミン酸ブロッカーみたいなのが今後治療法として挙がってくる日も近い・・・?
緑内障はホント怖いですからね。視力を失うかもしれない病気の1つ。
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