体外装置が不要な完全埋め込み型の「人工聴覚器」を、京都大や大阪大などが開発し、動物実験に成功した。音を神経の電気信号に変える蝸牛という器官の機能障害でほとんど聞こえない人も、自然な音を聞ける可能性があるという。3年後に人の臨床研究を目指す。
補聴器でもよく聞こえない高度難聴者のためには人工内耳が実用化されている。耳にかけるマイクに入った音声を、体外の処理装置で電気信号に変え、側頭部に埋め込んだ受信機を介して耳の奥へ送る仕組みだ。
伊藤壽一・京大教授らは、蝸牛に機能障害があっても、蝸牛内の「基底板」は音声で振動することに着目。基底板の下に、振動すると電圧が発生する圧電素子を張り付け、その信号を聴神経に伝える仕組みを開発した。蝸牛に残された機能を最大限に生かしているので、より自然な音が聞け、外見上も健常な人と変わらない。
耳の聞こえないモルモットに、長さ3センチ、幅2〜4ミリのごく薄い圧電素子を張り付けて実験。犬の鳴き声や電車の車内音に相当する80〜90デシベル以上の大きさになると、音の情報が脳に伝わることを脳波で確認した。
伊藤教授は「より小さな音でも聞き取れるよう改良し、人用の装置を開発したい」と話している。
画期的。完全埋め込み型ということで、電池の問題などをクリアーすればかなり画期的な発明ではないかと思います。
そういえば補聴器も最近お洒落なものが出てきていますね。