けがなどの傷口に、皮膚のもとになる細胞を増やしたあとの培養液を塗ると、細胞を移植するのと同じ程度の治療効果があることが、名古屋大学などの研究でわかりました。
名古屋大学などの研究グループは、皮膚のもとになる幹細胞と呼ばれる特殊な細胞を増やしたあとの培養液に皮膚を再生させる力があるか、複数の患者の協力を得て確かめました。
放射線治療の副作用などで皮膚を再生させる力を損なった患者の傷口に、この使用後の培養液を塗ったところ、傷口はいずれも半年後までにきれいにふさがったということです。さらに、マウスを使った実験で、けがの傷口にこの培養液を使うと、細胞を移植するのと同じ程度の治療効果があることがわかりました。
培養液には、細胞の増殖に必要な「成長因子」と呼ばれるたんぱく質が10種類以上含まれていたということで、研究グループでは、この成長因子が皮膚の再生を促したとみられると結論づけています。研究グループの上田実教授は「これまで培養液は使い終わると捨ててしまっていた。今後研究が進めば、皮膚だけではなく、神経などほかの病気でも細胞を使わない再生医療が実現する可能性がある」と話しています。
これは応用が効きそう。
いずれは一般にも普及して、傷口を治療するような薬が出来るかもしれません。