まぶたが腫れぼったかったり、ふだんのデニムがきつかったり。生理前のむくみは、憂うつだ。「そういうもの」とあきらめていたけれど、毎月のことだもの、症状を軽くすることはできないのだろうか。
ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック(東京都中央区)の対馬ルリ子医師(産婦人科)は、ここ10年余り、生理前のむくみを訴える働く女性が増えたと感じている。「症状が年々ひどくなっています」
20歳代から30歳代の47人を対象にした日清オイリオ中央研究所などの2002年の調査でも、生理前のさまざまな不快症状について重症度を尋ねたところ、「むくみ」は、「食欲が増す」「眠くなる」に次いで3番目に深刻だった。
対馬さんによると、生理の10日前ごろからむくみやすくなるのは自然なこと。排卵後に分泌が増える黄体ホルモンが、体内に水分をため込もうとするためだ。しかし、スカートがまったく入らなくなる、生理前後で体重が5キロ以上増減するなど、生活に支障をきたすような例もある。
「女性ホルモンのバランスが乱れると、むくみがひどくなります」
ストレスが大きな原因と考えられるという。生理前でも、ふだん通りにスーツを着て多くの人と会い、忙しく働くよう求められる女性がむくみやすいのは当然だと話す。目安として、体重が2キロ以上増えるようなら、婦人科などを受診したほうがよいそうだ。
治療には通常、低用量ピルが使われる。ホルモンバランスが整い、たいていは3カ月ほどで症状が和らぎ、半年後には、服用を止めても軽いむくみで済むようになる。
漢方薬も一つの手だ。東京女子医大東洋医学研究所(東京都北区)の木村容子副所長は「生理前のむくみは血液とも関係するので、水と血のめぐりをよくする漢方薬を処方します」と説明する。
五苓散や桂枝茯苓丸、当帰芍薬散などが使われ、2、3カ月ほどで効果を感じるという。
「生理の周期に合わせ、食事や生活習慣に気をつけるだけでも、症状はずっと楽になる」と木村さん。
利尿作用のある豆類や海藻類をとったり、半身浴をしたりするのもいい。「38〜40度くらいのぬるめの湯で。10分間でもいい。尿だけでなく、汗で水分を出すことも大事です」。水分のめぐりを妨げる冷え対策にもなる。
木村さんは「夏はシャワーだけという患者さんが、週に3日、湯船につかるようにしただけで、薬を一度も飲まずにむくみが改善したこともありました」と話している。
漢方薬に関してはこちらをご覧下さい。
参考:漢方薬と漢方医学についての知識を身につけよう
女性はホルモンバランスとの戦いがありますね。生理の周期にあわせたこのような症状だけでなく、閉経後もホルモンバランスの崩れがあります。
対症療法にしかならないといってしまえばそれまでですが、むくみの症状を取る、ということでしたら上記記事内の事柄を実践してみるのが有効だと思います。