川崎市幸区で2010年8月4日午前10時49分、西本勝撮影 遠隔操作するロボットの「手」を通して触覚が伝わる手術支援ロボットを慶応大が開発し、4日公開した。触覚を伝える手術用ロボットの開発は世界初という。エックス線写真などで発見が難しい場所のがんの触診や、より難度の高い手術が可能になるとしている。
理工学部の大西公平教授と、医学部の森川康英教授らが共同で開発した。
遠隔操作による手術支援ロボットは多くの場合、開腹手術をする代わりに患者の腹部に小さな穴を開けて微小なカメラや器具を挿入し、患部を観察したり腫瘍などを切除する手術に使われている。しかし従来のものは、医師が患部を触る感覚が得られなかった。
新しいロボットは、医師の手の動きに応じて動いたロボットの「手」に当たる鉗子の体内での挙動を、1秒間に1万回という精密な計算で医師側に再現する。これにより、医師は実際に手術器具や患部を触っているような手応えを感じられるという。
大西教授は「医師が直接触れない感染症患者や、デリケートな操作が必要な子宮内の胎児への治療にも応用できる」と話す。
腫瘍の硬さを感じることが出来る、というのは素晴らしい。手術中に良性か悪性かを判断する指標にもなりうるものです。
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