けがややけどのあと、傷ついた皮膚が盛り上がるケロイドの発症にかかわる遺伝子を東京大学医科学研究所などのグループが見つけ、ケロイドの根本的な治療法の開発につながる可能性があると注目されています。
ケロイドは、けがややけどのあと、傷ついた皮膚が異常に増殖して盛り上がり、かゆみや痛みを伴うもので、取り除いても再発しやすく、完全に治すのは難しいとされています。東京大学医科学研究所と理化学研究所の研究グループは、全国の医療機関を通じて協力を得た820人のケロイドのある患者の遺伝情報を一般の人たちと比較して詳しく分析しました。
その結果、遺伝情報のうち特定の4か所がケロイドに関係し、発症の割合はいずれかで配列が異なると1.5倍から2倍、4か所すべてで配列が異なる場合10倍近く高くなることを突き止めたということです。4か所のうち1か所は細胞同士を接着する働きのある遺伝子だということで、研究グループでは、この遺伝子を制御できればケロイドの根本的な治療法の開発につながる可能性があるとしています。研究にあたった東京大学医科学研究所の中村祐輔教授は「ケロイドは患者にとって、精神的な面でも負担が大きい。今後、さらに遺伝子の働きを調べ、治療薬の開発につなげたい」と話しています。
ケロイド体質という人がいます。手術した後の傷口が治りにくく、盛り上がってしまうような体質の人です。こういう人はケロイドを除去しても、なかなか治らない。見た目がよろしくないためメンタル的につらいところです。