小児科医や小児救急医らでつくる日本子ども虐待医学研究会(会長・小池通夫和歌山医大名誉教授)は、子どもが虐待を受けたかどうか医学的に判断する医師を、専門知識を生かして支援するチームを作ることを決めた。
7月に本格施行された改正臓器移植法で15歳未満の子からの臓器提供が可能になった一方、同法は虐待を受けた子からの提供がないよう求めている。脳死判定などが行われる提供病院が虐待の疑いを見極めないといけないが、慣れていない医師には、子どもの傷や画像診断から判断するのが難しい場合がある。
そこで研究会は日本小児科学会に連携を呼びかけ、提供病院の支援チームを目指すことにした。虐待を受けた子を多く診てきた小児救急医、脳出血の画像診断に詳しい脳外科医、体を激しく揺さぶられた子に特徴的な眼底出血に詳しい眼科医、虐待された子の骨のけがに詳しい整形外科医のほか、放射線科医や歯科医、虐待の疑いがある親との対話にたけた医師らが参加する。
コンピューター断層撮影(CT)の画像などの提供を受けて助言したり、主治医から家族の説明を聞いて状況分析を手助けしたりする。
研究会は、院内の虐待防止委員会のあり方や児童相談所、警察との連携についての指針、虐待判断のための手引書も作る。
こういった場合にも、法医学のジャンルは有用です。
法医学者は死体を見るだけでなく、臨床の場において、虐待や傷などをみるプロフェッショナルです。
うまく病院間で連携をとれば不可能ではないと思うのですがね。まだ現実的には難しいのか。虐待を発見する一番身近な存在として「医師」がいますので、虐待による傷に関しては知識としても覚えておきたいところ。