高齢者の90%近くが「熱中症」を知っているのに、室内で発症する危険性は65%程度しか知らないことが、兵庫県立健康生活科学研究所などの調査で分かった。
この夏の高齢者の熱中症の多くは室内で起きており、同研究所は「正しい知識の普及を急ぐべきだ」と指摘している。日本生気象(せいきしょう)学会の論文誌最新号に掲載された。
調査対象は京都府内で生涯学習講座を受講した350人で、55歳から87歳の204人が回答した。熱中症の意味は89・8%が知っていたが、室内で発症することを知っている人は65・7%だけだった。
室内で暑さによる体調不良を感じた経験は、室内の発症を知っている人が41・9%だったのに、知らなかった人は59%に上り、知識がある人ほど予防策を講じている可能性がうかがえた。体調不良の体験場所は、男性は寝室や居間が67・7%、女性は40%が台所だった。
調査した柴田祥江・消費生活専門員は「日常生活でも特に台所は危険。火を使う時は換気扇を必ず回すなど、室内の温度上昇を防ぐ工夫が必要」と話している。
外に出なければいいというわけではありません。夏は暑いものですが、だからといって昔のように「我慢」てしまうと、熱中症になります、たとえ室内でも。
まず水分を補給して下さい。特に高齢者の場合、喉の渇きを感じにくいので、食事をするように、薬を飲むように、こまめに補給しましょう。