増殖能力が高く、身体のあらゆる細胞に変わる万能細胞「人工多能性幹(iPS)細胞」は、血液細胞から作った場合は血液に変えやすいなど、材料の体細胞の性質が残る場合があることがマウスの実験で確認された。米ハーバード大などの研究チームが20日、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
特定の細胞に変えて再生医療や新薬開発試験に使う場合、この傾向は便利だが、さまざまな種類の細胞に変えて幅広く利用する場合は、材料の体細胞の性質をほぼ完全になくす工夫が必要という。
iPS細胞は、血液や皮膚、神経、内臓など多様な体細胞が材料となる。山中伸弥京都大教授らが開発した3、4種類の遺伝子をウイルスなどを使って導入すると、細胞が特定の役割を果たすように遺伝子群を制御していた「メチル化」という作用が解除され、受精卵に近い状態に初期化されると考えられてきた。
iPS細胞の定義というか、存在意義にも抵触しかねん研究結果です。
これを無くさないことには使えない・・・とまではいきませんけれどね。むしろ早期の臨床応用のためにはこの研究結果を踏まえた上で、iPS細胞を作る場所を選択するべきか。