長期間せきが続く百日ぜきの感染報告が急増していることが4日、国立感染症研究所の調べで分かった。6月20日までの1週間で、1医療機関当たり0.09人の報告があり、過去10年間で最多だった平成20年のピーク時の0.11人に次いで2番目の多さになっている。厚生労働省は「予防接種前の子供が発症すると重症化し死亡する可能性もある」と注意を呼びかけている。
百日ぜきは「百日ぜき菌」による感染症で、熱は出ないケースが多い。長期間のせきが特徴で、1〜2カ月続くこともある。インフルエンザと同様、くしゃみやせきなどによってうつるといい、マスクや手洗い、うがいなどが感染防止に有効とされる。
成人が重症化することはまれだが、子供は肺炎や脳症など重い合併症を併発することがあり、過去10年で5人が死亡している。
感染研によると、春から夏にかけて流行することが多い。今年は5月中旬から報告が増え始め、同月末には昨年のピーク時(同0.07人)に並び、6月中旬時点では20年のピーク時に迫る勢いになった。
増加の原因などは不明だが、20歳以上の成人の感染が目立つのが最近の特徴で、今年も成人が51.3%と過半数を占める。
最も有効な予防策はワクチンだ。厚労省は予防接種法に基づく定期接種としてジフテリアと破傷風のワクチンを入れた三種混合(DPT)ワクチンを接種しており、十数年は効果があるとされる。ただ、対象は生後3カ月以上なので、小さい子供は受けていない場合がある。
厚労省は「成人は、自身が重症化しなくても、予防接種を受ける前の子供にうつしてしまう懸念がある。せきが続く場合は、人ごみや小さい子供との接触を避けてほしい」と話している。
ここ数年、毎年のように百日咳がトピックとして挙げられますねぇ。
ワクチンが出来て感染が収束しつつあると、人々も、医療従事者も、軽視しがちになってしまいます。しかし感染症との闘いは人類の歴史の闘いでもあります。なくなることは期待できません。百日咳の可能性がある、ということを念頭において医療を行う必要がありそうです