診療に関連して死亡した患者152例の死因を死亡時画像診断(Ai)と解剖の両方で調べた結果、所見がほぼ一致したのは20%で、「Aiだけで死因が究明できた」と医師が判断したのはわずか3%だったことが12日、厚生労働省研究班の調査で分かった。
診療関連死をめぐり、解剖と比較したAiの効果検証は初めて。調査に当たった深山正久東大教授(病理学)は「診療関連死の死因調査では、解剖の代わりにはならない」と分析。遺体を傷つけないAiを遺族が求めるケースが増えつつあるが「限界を十分に説明し、あくまで補助的に使う必要がある」としている。
調査は09年度に東大病院や筑波メディカルセンター病院など7機関で実施。152例はほとんどが各機関で診療中に亡くなった患者で、遺族の了解を得てCTで遺体の画像を撮影した上で解剖。その後、放射線科医約10人に画像と解剖所見を比較してもらった。
その結果、「Aiと解剖所見の一致水準が高い」と判断されたのは37例(24・3%)。詳しい組織検査まで実施した125例に限ると26例(20・8%)にとどまった。
実際に解剖したほうが得られる情報量は圧倒的に多いのは確かです。そもそも画像上よくわからないから解剖してみよう、という話になるわけでして。死体があってそれを画像に撮るのは有益ですが、病院で診療中に亡くなった患者の死体を死後にCTにかけても、得られる情報は少ないのでは。
だからといってAiが大したことない、という議論にはなりようがないと思うんですけどね。ケースバイケースで絶対必要な技術です。
解剖の変わり、と考えるのではなく。