米コロンビア大学プレスビテリアン病院で小腸と大腸の手術を受ける直前の古谷美香子ちゃん=平成22年4月(「美香子ちゃんを救う会」提供) 生まれつき腸が機能しない難病「ヒルシュスプルング病」を患い、募金により米国で小腸と大腸の移植を受けた古谷美香子ちゃん(1)=東京都渋谷区=の容体が安定せず、治療費が足りなくなったとして、「美香子ちゃんを救う会」は7日、都内で会見を開き、6千万円を目標額として、再度募金活動を行うことを明らかにした。
救う会によると、美香子ちゃんは手術に必要とされた費用約1億1千万円が募金で集まったため、2月に渡米。4月に米コロンビア大学プレスビテリアン病院で小腸と大腸の移植手術を受け成功した。しかし、その後容体が安定せず肝機能も低下。2カ月にわたって集中治療室(ICU)から出られない状況が続き、治療費が想定以上に高額となった。
その結果、すでに支払っていた保証金100万ドル(約9500万円)では治療費が足りなくなり、病院からは今月19日までに追加保証金など75万ドル(約7100万円)を支払うよう請求されたという。
日本では来月に改正臓器移植法が施行され、15歳未満の子供からの移植が可能になるが、美香子ちゃんは法施行まで待てる状態になかったので、海外での移植手術を選択せざるを得なかった。美香子ちゃんの父、信一さん(33)は「術後の回復が思わしくないが、今、娘はICUで懸命に戦っている。再度のお願いとなり、皆様に申し訳ない思いでいっぱいだが、何とぞよろしくお願いします」と話した。
募金の振り込みは三菱東京UFJ銀行西新宿支店・普通口座0028111「ミカコチャンヲスクウカイ」など。問い合わせは救う会事務局(電)03・3374・1108。
1億以上募金で集まるということは、募金している人は臓器移植法改正に賛成ということですよね。
法律改正以降、脳死臓器移植が増えなければおかしいような気もします。今後に期待ですかね。
したがって、レシピエントの免疫細胞、特にT細胞による移植された小腸、大腸に対する拒絶反応に加え、ドナー消化管が作る免疫細胞によるレシピエント生体への攻撃が加わることになりますので、非常に複雑かつ強力な免疫応答が惹起されます。このことが他の臓器移植と決定的に違うところで、理論上は絶対に生着はしないのが本当のところです。
粘膜免疫を専門とする者として、以前より消化管移植を疑問に思っており、京大医学部・医科免疫学専門の湊先生のご講演時に、免疫学の大家でもあり医師でもある先生にその旨お聞きしたところ、やはり上記の理由で生着は望めないとのご見解でした。
今後の免疫機構の更なる解明、免疫コントロール可能な画期的薬剤の登場に期待するしかありませんね。