1歳になるまでに少なくとも1回、抗生物質を服用した乳幼児は、服用しない子供に比べ、2倍も小児ぜんそくになりやすいことが、カナダ・ブリティッシュコロンビア大の研究者らの調査で分かった。米医学誌に発表した。
研究グループは、乳幼児の抗生物質の使用とぜんそくの関係を調べた七つの研究論文について分析。1万2082人の乳幼児のうち、1817人が小児ぜんそくを発症していた。このうち、1歳になるまでに、抗生物質を少なくとも1回使うと、使わない人に比べ、その後のぜんそく発症率は2倍になった。抗生物質を使った乳幼児の中でも、複数回使用した方が、1回に比べ、ぜんそく発症のリスクが高まることが分かった。
1歳未満の乳児の場合、耳や上気道の感染症、気管支炎などの治療に抗生物質が使われているが、研究グループは「乳児期の抗生物質の使用が、なぜぜんそくを引き起こすかは不明だが、こうした感染症で、すべての子供に抗生物質が必要なわけではない。適正な使い方が、その後のぜんそく発症の予防になる可能性がある」と警告している。
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とかくお母さんは抗生物質に頼る傾向にあるような気がします。名作漫画「研修医ななこ」でもその様子が取り上げられていましたね。何故喘息が酷くなるのかの機序ははっきりしていないようですが、乳児期は様々な細菌が「常在細菌」として定着する時期なので、もしかすると抗生物質が守ってくれるはずの常在細菌を攻撃してしまい、気管支が外界からの刺激に弱くなってしまうのかもしれません。
何にせよ、「生きている菌を殺す薬」が、人間の身体に無害なわけがありませんからね。お母さん、子供の自然治癒力に期待しつつ我が子の成長を見守ってみませんか?
余談:実は私も小児喘息をもっていました。幼い頃はほぼ毎週病院に通っていました。ある日水泳を始めるようになってから、見違えるように改善しましたね。喘息は、気管支が炎症を起こしてしまい、気道が狭くなる病気です。ですので、肺活量を増やしてやれば、その苦しさを代償することができるのです(とても楽になりました)。更に水泳は「全身を鍛えるスポーツ」ですので、病弱だった身体も健康になり、成長に伴って気管支の炎症もなくなります。もし喘息で悩んでいる方がおりましたら、水泳をお薦めします。
参考:世界で3億人が抱える喘息とは
育児辞典