二〇〇六年度、東北地方の六大学の医学部産婦人科に新規入局する若手医師は計八人にとどまり、うち弘前大学はゼロであることが日本産婦人科学会の調査で分かった。新規入局者は全国で二百十人と、三年前に比べ半減。地方大学の産婦人科が先細りする一方で、全体の三分の一余りの七十三人が東京都での勤務を予定しており、不均衡な一極集中も浮き彫りになった。
調査によると、来年度の医学部産婦人科入局見込み者は全国二百十人。二〇〇四−〇五年度は卒後臨床研修制度のスタートに伴い、全国的に新規入局者がいないため比較できないが、〇三年度の四百十五人に比べると半減した。地区別では東京都七十三人、関東(東京都を除く)二十八人、大阪府十人、中部三十六人、九州十四人、東北八人、北海道五人など。東北地方八人の内訳は弘前大学ゼロ、岩手医科大学二人、東北大学ゼロ、秋田大学一人、山形大学一人、福島県立医大四人となった。
〇一−〇三年度をみると、弘前大学は毎年三人ずつ入局し、東北六県では十八−二十四人の新規入局者がいただけに来年度は大きく減員することになる。これは過重勤務、訴訟の多さなどにより産婦人科を敬遠する傾向が強まったことや、研修先を選択できるようになった卒後臨床研修制度により、若手医師の都会志向や大学病院離れが一気に顕在化したものとみられる。
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やはり根底にある大きな問題は『訴訟の多さ』なのでしょう。全国で、産婦人科が潰れているらしいですね。そういう現状をよく知っている若者が、先の見えない科を避けるのは分かる気がします。
研修先を選べるようになった臨床研修制度(マッチング制度)で都会を選んでしまうのも、若者なら仕方のないことなのか、な。
訴訟問題を解決するには、国民(=患者になりうるであろう人たち)の意識改革が必要なのかもしれません。
尾鷲総合病院:やっと確保の産婦人科医、報酬5520万円 市民は“困惑” /三重
医師不足に悩む尾鷲市が独自に確保し、昨年9月から市立尾鷲総合病院に招いている産婦人科医の年間報酬が5520万円に上ることが7日までに分かった。同病院の医師の平均給与は約1500万円。その3倍以上の破格な報酬に市民からは「産婦人科医の存続は有り難いが、市の財政事情から考えると高額すぎるのでは」と困惑する声も出ている。
同病院の産婦人科医は、三重大学医学部付属病院から派遣されていたが、付属病院の医師不足に伴い、昨年7月以降、派遣がストップ、常勤の医師がいなくなった。これを受け、市民団体が同科の存続を願う活動を展開、6万人を超す署名を集め、三重大と県に陳情した。しかし、派遣は再開されず、市独自で探した結果、津市の開業医が9月から来てくれることになった。
これに対し、市民団体のメンバーの一人、高田大礼・尾鷲自治連合会長は「他の医師とあまりにも格差があると医師のチームワークが乱れるのでは」と心配する。また、存続を願う署名をしたという市内の主婦(36)は「お金優先のように思えて悲しい」と話し、市内の別の主婦(61)は「医師の受け入れはお金だけの問題ではない。医療過疎地ではいかに医師を大事にし、育てていくかが重要。今回の報酬問題は、医師を思いやる市民の気持ちも問われている」と話した。
私の大学はそれなりに歴史もあり、比較的恵まれた立地ですが、それでもここ10年ほどを見ると0人もしくは女医1人という年があります
女医さんが悪いと言う気は全くありませんが、如何せん産婦人科医が出産、育児をまともに出来ないのは如何なものかということで積極的に産休育休を推進しているために、どうしても戦力としては男性医師の3分の2程度になってしまいます
その結果として当直が講師どころか准教授にまで回って来るという状態です
ですが東北は更に悲惨な状況なのでしょうね