子どもがかかりやすく、のどの痛みや高熱をともなうA群溶血性連鎖球菌(溶連菌)咽頭(いんとう)炎が今年になって急増している。毎週の医療機関からの患者報告数が、過去10年で最多になっており、定点調査している国立感染症研究所感染症情報センターでは「突然の高熱やのどのはれが続くときは、早めに受診を」と呼びかけている。
同センターが17日に発表した全国約3000の小児科からの報告によると、2月27日〜3月5日の1週間で1医療機関あたり2.5人の患者が受診。04年の2.35人を上回り、3週連続で過去10年の最多を更新した。都道府県別では新潟、山形、鳥取が多い。
溶連菌咽頭炎は冬から春にかけて患者が増え、児童に多い。くしゃみやせきによって感染し、学校での集団感染もある。予防には、患者との接触を避け、うがいや手洗いも有効とされている。
同センターの安井良則主任研究官は「症状が消えても薬を途中でやめると急性腎炎などの合併症になることもある」と注意を促している。
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参考:A郡溶血性連鎖球菌咽頭炎
【症状】
発熱、のどの赤みと痛み、発疹、苺舌のほか、1週間ほどしてから手の爪先から皮がむけることがある。
のどの赤さはかなり特徴的で、他の咽頭炎に比べ非常に赤く”真っ赤”という感じ。とくに”のどチンコ”が赤くなる。上あごの奥には少し出血がみられることもある。発疹は熱と同時か引き続いて現れるが、下腹部・腰を中心として主に躯幹に認められる細かい赤いブツブツで、よくかゆがる。苺舌(イチゴジタ)とは、舌の表面のポツポツ(舌乳頭)が赤く大きくなって苺のようにみえること。
連鎖球菌は薬剤耐性菌が比較的少ないので、ペニシリン系抗生物質がかなり効くようです。予防法はうがい手洗いなどしかないので、もしお子さんが熱を出して扁桃腺を腫らした場合には病院へ行かれたほうがよさそうです。迅速診断もありますので10分ほどで確定されるでしょう。