精子の源である精子幹細胞の自己複製と分化・増殖の制御に関与する遺伝子を、京都大医学研究科の篠原美都助教、篠原隆司教授たちのグループが突き止めた。米国科学アカデミー紀要で23日に発表する。
精子は、精子幹細胞が自己複製を繰り返し、一部が前駆細胞へと分化して増殖、さらに減数分裂して精母細胞、精子細胞に分化して作られる。自己複製と分化・増殖を制御するメカニズムは、まだよく分かっていない。
篠原助教たちは、細胞分裂を繰り返す周期「細胞周期」の進行を抑えるタンパク質(CDK阻害因子)を作る遺伝子p21とp27に着目し、マウスの精巣を使って二つの遺伝子の働きを調べた。p27は精子幹細胞の自己複製を抑え、p21は前駆細胞の増殖を促進していることが分かった。
精子幹細胞の自己複製を抑える遺伝子の確認は初めてで、二つの遺伝子が不妊症に関係している可能性もあるという。篠原助教は「不妊治療で精子形成効率を改善する糸口にもなるかもしれない」と話している。
遺伝子レベルでの治療が可能になれば、不妊症は減るかもしれません。昔ならば相性が悪かったとか、種が悪いとか体が悪いとか差別されたりしたことも、こういった医学を駆使すれば「子供を作る確率が上がる」とされています。無理やりつくるのは自然の摂理に反しますかね。それでも愛し合う夫婦なら子供が欲しいと思うのは当然のことですから、個人的には賛成です。