世界保健機関(WHO)は18日、従来の薬による治療が極めて困難な「超多剤耐性」(XDR)結核の感染が今年3月時点で、世界58カ国で確認されたと発表した。
XDR結核の感染者は推定で、年間2万5000人に上るとした。
また、XDRを含めた、薬による治療が難しい「多剤耐性」(MDR)結核の感染者は08年で年間44万人、死者は15万人に上ったと推計した。
結核は昔は死に至る病でしたが、抗生剤の開発、栄養状態の改善によって必ずしもそうではない、むしろ治療できる病気になっていました
ですが結核は過去の病気ではありません。感染率が高い上に、普通の飛沫感染ではなく空気感染する恐ろしい病気です。
インフルエンザですら、人ごみに行かずマスク等の予防策を徹底すれば感染を防げますが、結核はそうではない。例えばカラオケボックスで前の客が結核を排菌していたら、感染するのです。
更に「簡単に治る病気」のイメージが強すぎて、結核感染者自身が治療を軽視する方向に進んでいます。これが恐ろしい。今まで治療薬として使っていた抗生物質に耐性をもった結核菌が誕生したのです。
変異を繰り返し続けた結核菌は、ついに全ての抗生物質に耐性のある、いわば現代の医学では治療不可能な「超多剤耐性結核菌」を誕生させました。
今、その結核菌が猛威を奮っています。