2010年03月28日

両親のドメスティックバイオレンスを目撃した子供の脳萎縮

両親間のDV目撃で脳萎縮 熊本大・友田准教授ら研究

 子どものころに両親間のドメスティックバイオレンス(DV)を日常的に見てきた人は、そうでない人と比べ、右脳の視覚野の一部が平均20・5%萎縮しているとの研究結果を、熊本大大学院生命科学研究部の友田明美准教授(小児発達学)と米国・ハーバード大の研究チームがまとめた。DVを目撃させることは児童虐待防止法でも児童虐待とされているが、その影響を医学的に裏付ける研究は珍しいという。4月の日本小児科学会で発表する。

 共同研究は、米国人1455人から子ども期(3−17歳)に両親間の暴力によるDVを日常的に目撃した18−25歳の男女15人と、年齢や利き手などが同じでDV目撃経験のない33人を選び、脳を磁気共鳴画像装置(MRI)で解析、比較した。

 その結果、右脳の視覚野にある「舌状回」と呼ばれる部分の容積が、DV目撃経験のない人は平均125・3ミリリットルだったのに対し、目撃経験者は平均99・6ミリリットルで、20・5%小さかった。視覚野は、視覚をつかさどる部分。萎縮による影響は詳細には解明されていないが研究チームは視覚的な記憶力が低くなるとみている

 また血流量の調査で、同じ視覚野にある「中後頭回」だけ、DV目撃経験者の方が平均で8・1%多く、目撃経験のない人より活発に動いていることが分かった。

 友田准教授は「DVの記憶がトラウマ(心的外傷)となり、フラッシュバックや夢などで繰り返し思い出して視覚野が必要以上に活動し、脳の伝達物質が過剰放出され、脳細胞に悪影響を与えている」と考えている。

 日本子ども虐待防止学会理事で、筑波大の宮本信也教授(発達行動小児科学)は「子どもにとって母親などが暴力にさらされるのは、自分への暴力と同じこと。DVが当事者だけの問題ではないと社会に広く知らせ、被害女性に多い『自分さえがまんすればいい』という考えをなくしていくべきだ」と話している。



 心的外傷になるんでしょうねぇ。精神的ストレスは、確実に脳にダメージを与えていると…。

 子供に見せないためにも、関係を壊したくない、とか考えるのではなく、すぐに相談することも大切です。自分を守ることで、子供を守ってもらいたい。
広告
posted by さじ at 00:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック