音を同時に聞かせることで見えるものがずれる。大人では実証されているこうした錯覚が8カ月の赤ちゃんで既に見られることを九州大学などの研究チームが実験で確かめた。
8カ月というのは乳児が動き回れる時期に当たる。このためこの時期から赤ちゃんも「見る」と「聞く」を合わせて感じることができるようになる、と研究チームは見ている。
河邉隆寛・九州大学高等研究院特別准教授を中心とした九州大学、中央大学、新潟大学、農業・食品産業技術総合研究機構、日本女子大学、科学技術振興機構の研究グループは、生後5-8カ月の赤ちゃんに簡単な図形の動きを見せて、同時に音も聞かせる実験を行った。大人では、ある図形が同じ速さで移動しているにもかかわらず、音の間隔をずらすことで図形の移動の仕方も音のリズム同様ずれているように見えることが、既に河邉准教授らによって確認されている。
今回の研究成果は、この錯覚現象「視聴覚タウ効果」が8歳の赤ちゃんに既に見られることを確かめたもので、今後はこうした能力を持つことを前提に赤ちゃんのおもちゃや生活用具のデザインを考えていくことが可能だ、と研究チームは言っている。
脳がまだ未発達な赤ちゃんでも八ヶ月なら錯覚が起こることを証明。大人同様の視覚・聴覚形成がされはじめている証拠、ということでしょうか。