2010年03月25日

幹細胞移植と抗てんかん薬で脊髄損傷のマウスが歩くことに成功

脊髄損傷マウス歩く…奈良先端大、幹細胞移植と抗てんかん薬で

 脊髄損傷の症状を、神経幹細胞の移植と抗てんかん薬の併用によって大きく改善させることに、奈良先端科学技術大学院大の中島欽一教授、あべ松昌彦研究員らがマウスの実験で成功した。後ろ脚のマヒしたマウスの7割が歩けるようになった。18日に広島市で開かれる日本再生医療学会で発表する。

 神経幹細胞は、信号を伝えるニューロン(神経細胞)、そこに栄養を供給する細胞、神経を包むさやなどのもとになるが、脳や脊髄の損傷部では大半が栄養供給細胞になり、新たなニューロンはほとんど作られない。

 グループはこれまでに、抗てんかん薬として使われているバルプロ酸が、神経幹細胞のニューロンへの変化を促すことを発見した

 今回、脊髄の傷ついたマウスの損傷部に、遺伝的に同系の胎児マウスから採った神経幹細胞を移植し、バルプロ酸を注射すると、6週間後には21匹中、15匹が後ろ脚を使って歩けるまで回復した。幹細胞の移植だけでは後ろ脚は少し動くものの体重を支えられず、バルプロ酸だけでは、ほとんど動かないままだった。

 詳しく調べると、神経幹細胞を移植してニューロンに変化するのは1%以下だが、バルプロ酸を併用すると約20%まで向上。断裂した神経回路を、新たな複数のニューロンがリレーするように再建していた。



 幹細胞を移植するだけでなく抗てんかん薬を併用することで、ニューロンを変化させ、ここまで劇的に変わるものなんですねぇ。

 iPS細胞ジャンルの研究としても、今後大きく発展しそうな領域です。事故による脊髄損傷の治療法の確立として。
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posted by さじ at 11:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 移植
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