ロシア西部キーロフからの報道などによると、事故は現地時間の2月18日に発生した。2人のロシア人男性は、地元高齢者福祉施設の所長と、障害者支援施設の所長で友人同士。休憩のため市内のサウナへ出かけた。
ロシアでは、サウナのあとに冷水を張ったプールに飛び込む入浴法が一般的。2人はサウナ室へ入る前にプールに水を張る作業を始めたが、ここで水温を確認しなかったのが“命取り”になった。
蛇口から吹き出していたのは水ではなく、沸点にまで達していた熱湯。そうとは知らない2人は室温100度以上のサウナで十分に発汗した後、体を冷やすべくプールに飛び込んだが、そこはまさかの「熱湯地獄」。一緒にいたもう1人の同僚は、遅れてサウナ室から出てきたため助かったという。
また、ロシアのタブロイド紙「コムソモルスカヤ・プラウダ」は、別の第3者が2人を助けようとしたが、“煮えたぎった湯”から引っ張りだすことはできなかったと伝えている。さらにキーロフの事故調査委員会は声明で「彼らの死は過熱に起因する」と発表。捜査員は「過熱は被害者1人によるミス」と話した。
都内の総合病院に勤務する男性外科医(46)によると、やけどした場合の皮膚のダメージの深度は皮膚が赤くなる程度の熱傷を表すI度、水ぶくれができるII度、皮膚の壊死を表すIII度まであるが、「サウナから出たばかりのこのケースはただでさえ皮膚の温度も上昇しており、II度のやけどを、全身の約9割に負ったと考えられる」としている。
また、同医師は「高度救急救命医療が整い、形成外科も設置されている都会の総合病院で、緊急手術しないと助からないケースと思え、日本でも主要都市でなければ救命は困難といえるのではないか」とも話している。
ロシアの熱傷というと、サハリンから札幌医大に飛行機で飛んだコンスタンティン君を思い出しますね。
参考:コンスタンティン・スコロプイシュヌイ
冷水に「飛び込む」のがロシア流。なんだか凄いですね。日本でもサウナの後に冷水に飛び込む行為が垣間見られますけれど、身体には悪いと思うので心臓の弱い方はご注意下さい。