経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師・介護福祉士の受け入れで、今春から日本で就労することをめざしているフィリピン人看護師50人のうち、将来の第1希望の勤務地として日本を挙げた人が半数以下にとどまることが、朝日新聞社のアンケートでわかった。給与面や高い技術水準が魅力になっている半面、日本語での国家試験合格を課す現行制度が現地で敬遠されている実態が浮かんだ。
アンケートは、受け入れのあっせんを担う国際厚生事業団が2月、マニラ首都圏のフィリピン海外雇用庁で説明会を開いたのに合わせて実施。選考過程に残る106人(日本側の求人数は77人)のうち、会場で要請に応じた50人(女性が8割)に看護師経験や日本での就労に対する意識などを書面で尋ねた。平均年齢は33.9歳で、看護師の経験年数は平均7.1年。
外国での就労目的を4択で尋ねたところ、6割を超える32人が「よりよい給料を得る」、15人が「技術を磨くため」と回答。「国内に就労先がない」は1人で、「国際貢献」はゼロだった。
外国の就労先第1希望については23人が日本と答えたが、それを上回る24人が日本以外の国を挙げた。内訳は米国が18人と最も多く、カナダ5人、英国1人。来日希望の理由は、「他国に比べて技術水準が高い」が最多の20人で、「給与水準が他国より高い」は16人、「労働環境が他国よりよい」は6人だった。
フィリピンは人口の1割の約900万人が海外で働く「出稼ぎ大国」。アンケートでも半数近い24人が海外での勤務経験があると答えた。現地の看護教育は米国流で行われており、自分の知識や公用語の英語を生かせるうえに給与水準も高いため、米国の人気が高い。ただ、看護師の4割近くが職につけない中、当面の就労先として日本を選択する人が増えているという。
フィリピン大公衆衛生学部のマリリン・ロレンゾ教授は「渡航費用などを個人が負担する必要がない日本に対する就労希望が比較的低いのは、英語が通用せず、言葉を一から勉強して短期間で国家資格を取らねばならないから。日本が経験豊富で有能な看護師を獲得したいなら、現行の枠組みを改善する余地がある」と話す。
確かに公用語が英語であるならば日本よりアメリカに行ってしまうか…。
しかし日本語が話せないと日本人を相手に看護できませんし
新しい試みには失敗がつき物。例えば看護の学校の段階から、日本語を学ぶような環境をつくれば、安定してフィリピン人看護師を受け入れられるのではないでしょうか。時間はかかりますが、日本語は難しいですからね。今すぐに受け入れるというのは難しいかもしれません。
近年不況の影響下で、
日本人でさえ看護学校に入れなくて泣いている人が多いのに、
なぜフィリピン人を日本の看護師にさせるようなことをするのか不思議でなりません。
大学の看護科は急増していますが、学費が高過ぎる為、現役はともかく社会人は看護学校を受験します。
どの学校も倍率は高く、予備校に通わないと合格出来ない学校は多いです。
フィリピンや他国からの看護師養成をする以前に、なぜ定員を増やすなどの措置を日本国内してくれないのか不思議でなりません。
勿論、辞めずに働ける体制が整っていない病院にも問題がある、という反論はあるでしょうけれど。
それは予算がない、という国の問題ですし。