米国で広く使われている糖尿病治療薬が深刻な心臓発作の副作用を引き起こしており、この事実を製造元の製薬大手グラクソ・スミスクラインが隠していたと、米上院金融委員会が20日発表した報告書で非難した。同時に、同治療薬を認可した米食品医薬品局(FDA)の監督責任も追及している。
超党派議員がまとめた334ページからなる報告書によると、問題になっているのは糖尿病治療薬「アバンディア(一般名ロシグリタゾン)」。FDAの研究者が2007年7月にまとめた推計によれば、同治療薬が市場に出回って以来、関連する心臓発作が約8万3000件も引き起こされているという。
一方、グラクソ・スミスクライン側は、報告書の内容を否定。FDAの認可を受けて発売している治療薬であり何ら問題はないうえ、報告書で引用されているデータは古く、最新のものではなく無意味と、真っ向から反論している。
「アバンディア」の安全性については、数年前から懸念が指摘されている。2007年には米医師会雑誌(JAMA)と米有力医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)がそれぞれ、安全性を疑問視する論文を掲載していた。
重篤な副作用となるのかどうか。今後の研究次第というところでしょうか。糖尿病治療の選択の幅が狭まるのは懸念されますが、心臓に負担がかかるのはあまりよろしくないですしね。