母親の胎内にいる間に2つの言語が話されている環境で過ごすと、赤ちゃんはバイリンガルになりやすいとの研究結果が、心理学専門誌「サイコロジカル・サイエンス」に今週掲載された。
新生児を2つのグループに分け、一方には胎内で英語だけを聞かせ、もう一方には英語とフィリピンのタガログ語の2つの言語を聞かせた。
新生児の言語に対する好みを判断するにあたり、研究者らは、新生児の吸引反射に注目した。吸い付く動作は、赤ちゃんの刺激に対する関心を示すとされている。
まず、最初の実験では、1分ごとに英語とタガログ語が交互に話される演説を、赤ちゃんに10分間聞かせた。
その結果、胎内で英語だけを聞いていた赤ちゃんたちは、タガログ語の演説よりも英語の演説を聞いているときに「吸引行動が増加する」ことが観察された。つまり、タガログ語よりも英語の方に、より関心を示したことになる。
一方、2言語が聞こえる環境で胎内にいた赤ちゃんグループは、英語とタガログ語の両方に等しく関心を示した。
この結果から、研究者らは、出生前からバイリンガルの環境にある新生児は2つの母国語を覚えるための準備をしているとみられると結論づけた。
さらに研究者らは、赤ちゃんたちが2つの言語の違いを区別しているかどうかについても調べた。言語の違いを区別することは、バイリンガルになるために重要な要素である。
研究の結果、まず、赤ちゃんたちは興味がなくなるまで1つの話に耳を傾けていることがわかった。次に、赤ちゃんたちは語り手が別の人に変わった際にも関心を示し、また、言語が変わった際にも関心を示すことがわかったという。
また、同じ言語が話されている間は赤ちゃんの吸引行動は増加しないが、別の言語に切り替わると増すこともわかった。
これらの結果から、報告書は、「バイリンガルの赤ちゃんも、1言語だけの赤ちゃんも、2つの言語を区別することができるとみられる」と述べ、「バイリンガルの赤ちゃんが、生まれた瞬間から2つの言語を混乱せずに聞き分けることができるメカニズムがあることがわかった」と結論づけた
3歳までに別の言語を聞かせれば、その発音の違いなども容易にわかるようになるといいます。絶対音感を身に付けるならば3歳まで、といわれているのと同じです。
この研究では胎内にいるときから聞かせると区別する能力が身につくというもの。
実際バイリンガルって難しいですけどね。日本語と英語という全く別のことを同時にやらせようとすると、確かに英語の発音は良くなりはしますが、逆に日本語が微妙になるというか、どっちつかずになってしまうことも多いようです。何ていうんでしたっけ、バイリンガルならぬ、セミリンガルでしたっけ。
とりあえず英語を喋れるようになってほしい、と願う親は多いでしょうし、私も子供は楽に英語を身に付けてほしいとは思いますが、英語教育を重視するあまり日本語に不備を来たしたり、子供がそれで小学校の段階で苦労するようならば、別に英語ぐらいどうでもいいかなと思ったりもします。