武田薬品工業は肥満症を改善する医療用医薬品の開発を日米で進める。2010年度中に厚生労働省へ製造販売承認を申請し、米国では年内に最終段階の臨床試験(治験)に入る。同社は肥満症と関連が深い高血圧や糖尿病の薬を主力製品とする。体重を減らして症状を改善する肥満症薬も加え営業力を高める。
日本で開発している新薬候補は体内で脂肪を分解する酵素「リパーゼ」の働きを阻害し、食事で取った脂肪を吸収せずに便として排出する効果が期待されている。脂肪の蓄積を防ぎ、体重を減らせるという。オランダの製薬会社ノルジーンから導入した。10年度に申請すれば12年度にも発売できるとみられる。脂肪の吸収を防ぐ日本初の薬となり、数百億円の年間売上高を見込む。
肥満症の患者数に関する明確な統計はないが、高血圧の患者数は国内で4000万人、糖尿病患者は200万人を超えると推定されている。多くは肥満症である可能性が高く、体重を減らせば症状の改善につながる。
米国では少数の患者で薬効を確かめる治験を近く終える。すい臓や脂肪組織から出るホルモンを人工的に作って患者に投与する新薬候補で、過剰な食欲の抑制や代謝改善などを見込む。これまでのデータでは半年で体重を12%減らすことができたという。年内に始める最終段階の治験を経て、数年後には米食品医薬品局(FDA)に販売許可を申請する。米国のデータを応用して欧州でも販売許可を申請する方針だ。
脂肪をそのまんま消化・吸収せずに便に出す薬だそうです。
美味しいものは大体脂肪が入っているもんですからね。肉にせよ魚にせよ。そういう脂肪を味わうだけ味わって、でも体から吸収されないという画期的なもの
ただちょっと怖いのは、脂肪も身体にとって必要だということですかね。もしこの薬を飲んで痩せたとして、その後で薬を中断したら、どうなるんでしょう?脂肪をより吸収するようになってしまうのではないでしょうか。難しいところですけれど、治験に期待です。