慢性的な睡眠不足による影響は、一晩長く眠っても解消されないことが示され、医学誌「Science Translational Medicine(サイエンス・トランスレーショナル医療※)」1月13日号で報告された。
筆頭著者である米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(ボストン)のDaniel A. Cohen博士は「1日6時間の睡眠を2週間続けた場合の睡眠喪失による影響は、24時間起きていた場合とほぼ同レベルである」と述べている。慢性的な睡眠不足の人は、急な眠気に襲われやすく、ミスや事故を起こしやすいが、このような影響は一晩ぐっすり眠っても解消することはできないという。
米国では、16%の人が日常的に1日6時間未満しか睡眠を取っていないという。特に運送業、軍隊、医療機関、緊急対応機関など、交代勤務や残業のある職業では睡眠不足が蔓(まん)延していると考えられる。多くの人は眠れるときに長時間眠ることによって不足を取り戻そうとするが、この方法は有用なのだろうか。
この疑問に答えるべく、今回の研究では21〜34歳の健康な男女9人を対象に、33時間起きた後10時間眠るという睡眠スケジュール(研修医などの典型的な例を模したもの。24時間あたりの睡眠時間は5.6時間)に3週間従ってもらい、1日8時間睡眠を取った群のデータと比較した。
その結果、10時間睡眠を取った直後では、認知機能や反応時間の試験結果は正常範囲内であったが、研究が進むにつれて10時間睡眠直後の機能回復能力が衰えていき、運動能力をはじめ集中力、注意力、機敏さの持続にも低下がみられた。反応時間が比較的正常であっても、昼夜が逆転してくると有意に消失。これは、慢性的な睡眠不足と身体の概日(サーカディアン)リズムとの相互作用によるものだと研究グループは述べている。
やはり体のリズムってのは大事ですね。
睡眠時間単位でいえば解消できているかもしれませんけれど、24時間のうちの体のホルモンの分泌などは解消されませんし。
毎日適切な生活をすごせればいいんですけれども。現代社会ではなかなか難しいですよねぇ。土日なくすかわりに毎日の負担を減らすような職場があったとしたら結構フレキシブルな日々を送れる、かも?(それはそれで駄目か)