白米の状態で通常の3倍の鉄を含む鉄分豊富なイネを遺伝子組み換えで開発したと、石川県立大や東京大、韓国、デンマークの大学のグループが13日、発表した。このコメを貧血のマウスに食べさせたところ症状が改善し、人間の鉄欠乏性貧血にも効果が期待されるとしている。
遺伝子組み換え食品に当たるため、日本で人間が食べるには国の安全審査を通らなければならず、実用化はかなり先。だが、世界人口の約半分が鉄欠乏の貧血だとされており、グループの西沢直子石川県立大教授は「将来、特に状況が深刻な発展途上国で貧血を減らすために使われれば」と話している。
グループは、イネの中で鉄を運ぶアミノ酸や、土壌から鉄を取り込む物質をつくるための遺伝子をよく発現させる役割を持つ遺伝子を組み込んだイネをつくって育てた。
実ったコメを白米にして分析すると、通常の約3倍の鉄が含まれていることが判明。貧血のマウスにえさとして与えると、二週間で鉄不足の状態が解消されたという。
女性の場合は毎月生理で血を失うこともあり、鉄欠乏性貧血になりやすいとされています。鉄分を摂ればいいんですけれど、食の欧米化、そして外食中心になってしまうとなかなか摂取する機会はないですよね。
そこでコメに最初から鉄分を多く含んでやろうとうこの研究。遺伝子組み換えなのでまぁ日本では倦厭されるでしょうけれど、鉄欠乏性貧血で悩む方々からすれば食が治療になるという画期的な代物。