脳卒中によって、視野が狭くなった患者のリハビリのため、エンターテインメントで使われる3次元(3D)映像技術を駆使したゴーグル型の訓練装置を、東京大学の田中敏明特任教授らが開発した。
日常動作での改善もみられ、3年後をめどに商品化を目指す。
脳に障害が残る脳卒中患者は、視野の端が見えなくなったり、見えていても反応できなかったりする後遺症が出る人が数万人いるとされる。「半側空間無視」と呼ばれるもので、リハビリは、見えないことを自覚させて訓練するのが重要。
これまでカメラ1台を使った平面的な映像の装置が開発されていたが、室内を動いたり、服を着たりなど奥行きのある動作の訓練は難しかった。そのため田中特任教授らは、左右別々のカメラを使い、立体的に見える3D装置を開発した。狭くなった視野を患者に気づかせるための機能も搭載。平面画像に比べ、リハビリの効果も著しく改善した。
田中特任教授は、「より多くの脳卒中患者の社会復帰に役立てたい」と話す
視覚領域のリハビリ。日常生活に戻るためには必要な訓練です。こういう工夫の積み重ねで、リハビリテーションの能率なども上がってくるんでしょうねぇ。