人の生殖機能を抑制する脳ホルモンを、早稲田大の筒井和義教授らが突き止めた。不妊など生殖機能障害の治療への応用が期待される。米科学誌プロスワン電子版で発表した。
人の精巣や卵巣を発達させ、生殖機能を維持するホルモンは知られていたが、研究チームは2000年、これとは逆の働きをするホルモン「GnIH」をウズラの脳から発見。ネズミやサルからも見つけ、人で調べたところ、脳の視床下部で作られる物質の中から同様のホルモンが見つかった。
動物実験では、脳からのGnIHが過剰になると、精巣や卵巣の維持、発育が悪くなり、精子や卵子がうまく作れなくなった。人でも同じ生殖機能障害が起きるとみられる。
また、夜間に多く分泌されるメラトニンという別の脳ホルモンが、GnIHの生産を促し、生殖機能を抑制する仕組みも解明。体内のメラトニン量を操作してGnIHをコントロールできれば、生殖機能障害の新たな治療につながる可能性があるという。
メラトニンには睡眠促進作用などがあるとされ、米国では健康補助食品として販売、国内でも個人輸入する人がいるが、筒井教授は「メラトニンの過剰摂取は、生殖機能に影響する恐れがある」としている。
GnIHとはまた安直なネーミングといえばそれまでですが、分かりやすくていいですね。発見そのものはかなり凄いものだと思います。
メラトニンとフィードバック機構を作っていることまでわかってるんですねぇ。医学が進歩しているといっても、まだ未知のホルモンが分泌されているわけです。これからの可能性を考えるとワクワクしてきますね。
記事の最後にもありますけれど、海外から輸入するとホルモン剤って結構簡単に手に入ります。ですけれど、ホルモンというのは他のホルモンと繋がりを持っているわけでして、簡単にそのバランスを崩していいものではありません。個人輸入で使うのは危険ですので避けるようにして下さい。