国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長は12月21日、新型インフルエンザが集団発生した関西の中高一貫校で実施された血清疫学研究で、高い抗体価を保有していた人の一部が、後にインフルエンザを発症していたことが確認されたことを紹介。「ワクチン接種などで十分な抗体価が得られても必ずしも発病を防げるわけではないことが、この研究で裏付けられているのではないか」と話した。メディア関係者向けの勉強会で述べた。
この研究は、大阪府立公衆衛生研究所が感染症情報センターの協力を得て実施。中高一貫校の生徒と教職員から8月下旬に採血し、中和抗体価の測定などを行った。
その結果、新型インフルエンザウイルスに感染した可能性が非常に高いと考えられる中和抗体価160倍以上の人のうち3人が、採血後にインフルエンザを発症していることを確認。「160倍以上の中和抗体価を保有していても、新型インフルエンザウイルスに感染・発症する可能性がある」と結論付けていた。
これについて岡部センター長は、注目すべき結果だとし、「ワクチンを接種して十分に抗体価が上がっても発病は十分に阻止できないが、重症化は防げるだろうということが、裏付けられているのではないか」と語った。
同センター長によると一般的には、抗体価が40倍以上あれば発症しても重症化を防ぐ効果が期待できるとされている。
予防接種だけで、過信してはいけないということですね。
まあ最善策は、マスクなどによる予防を徹底すること。それでかかってしまったら仕方ないでしょう。あとは、受けられる予防接種は出来るだけ受けて、感染の拡大を防ぐこと。
新型インフルエンザに感染する人が増えて、「新型インフルにかかるのは当たり前」と錯覚しないように、危機意識をもったままでいきましょうー。