東京都荒川区の民家で今月4日、この家に住む無職女性が遺体で見つかる事件があり、警視庁は11日、死亡2日前に受けた脂肪吸引手術が原因だった疑いがあるとして、手術をした美容整形外科「品川美容外科」(港区)などを業務上過失致死容疑で捜索した。
同庁幹部などによると、死亡したのは同区町屋7、無職前田京さん(70)。4日午後7時頃、自宅で死亡しているのを帰宅した家族が発見した。司法解剖の結果、死因は不明だったが、2日に同美容外科池袋院(豊島区)で腹部の脂肪を吸引する手術を受けていたことが判明。同庁が手術と死亡との因果関係を調べるため捜索に踏み切った。
次男(39)によると、前田さんは手術を受けた2日夜から「腹が痛い」と訴え、嘔吐を繰り返していた。
脂肪吸引は、金属の管を体に挿入し、腹部や腕などの脂肪を吸い出す。1970年代後半から普及している。近年は、ダイエット志向の強まりから女性に人気が高い美容整形手術だが、2003年に、都内の美容整形外科で手術を受けた女性が呼吸困難などの症状が出て翌日に死亡するなど、危険性を指摘する声も多い。
熊本でも脂肪吸引で死亡
熊本市の品川美容外科熊本院で昨年9月に脂肪吸引手術を受けた女性(当時55歳)が、手術から2日後に死亡、熊本県警熊本北署が執刀した男性医師(40)を業務上過失致死容疑で熊本地検に書類送検していたことがわかった。
送検は今月1日付。品川美容外科を巡っては、池袋院(東京都豊島区)でも脂肪吸引手術を受けた女性(当時70歳)が死亡、警視庁が業務上過失致死容疑で捜査している。
捜査関係者などによると、女性は昨年9月5日、腹部の脂肪吸引手術を受けた後、体調が悪化、7日に死亡した。死因は腹膜炎だった。医師と女性の遺族とは既に示談が成立しているという。
お腹に管を入れて脂肪をかきだすわけですから、要するに手術のようなものです。菌がお腹の中に入れば、腹膜炎なども起こす可能性もあるでしょう。
美容形成、といっても手術となんら変わりありません。ただしい技術、ただしい知識をもって行わなければなりませんし、仮に適切であったとしてもこういった合併症は予想されるものです。
アフターケアがなかなか行き届いていない、といわれる美容形成業界ですが、人の身体を扱う立派な医療です。アフターケアも含めて徹底する必要があるでしょうね。