第一三共は、術後血栓症予防を目的に実施した抗Xa阻害剤「エドキサバン」の第III相試験の結果、既存薬のエノキサパリンに対する非劣性が証明されたと発表した。エドキサバンの第III相試験としては初めて得られた結果で、主要評価項目を達成した。安全性に関しても、重大な出血、臨床的に重要な出血頻度はエノキサパリンと同等だったことから、2010年中に国内承認申請を行う予定。第III相試験成績の詳細は、来年の主要学会で発表する。
エドキサバンは、第一三共が大型化を目指す自社開発品。術後血栓症(VTE)予防の第III相試験は、膝関節全置換術(TKR)施行患者716例を対象に日本と台湾で実施され、TKR術後6〜24時間後にエドキサバン1日1回30mgを11〜14日間投与し、VTEの予防効果をエノキサパリン投与群と比較した。
その結果、有効性評価項目としたVTEの予防効果について、エドキサバン投与群のエノキサパリン投与群に対する非劣性が証明され、主要評価項目を達成したことが分かった。また、安全性の評価項目である重要な出血、臨床的に重要な出血の発現率について、エドキサバン投与群とエノキサパリン投与群で有意な差は認められなかった。
血の塊ができる「凝固」という現象には、様々な凝固因子が関与しています。そのうちのXaを阻害する薬の研究、ですね。
エコノミークラス症候群で一般的には有名ですが、手術後や妊婦さんなど、足に血栓が出来やすい状態というのはかなりあります。そういったケースに投与することで、少しでも血栓の作成を予防できれば、いわゆる「合併症」も大幅に減ることが予想される、というわけです。