2009年11月19日

診療報酬の底上げに対しての見解。

診療報酬の全体的な底上げを−TKC指標基に日医が見解

 日本医師会は11月18日の定例記者会見で、TKC全国会がまとめた「TKC医業経営指標(M−BAST)」に基づく動態分析結果を示し、病院、診療所共に保険診療収益が微増にすぎなかったなどと指摘した。その上で、その原因である受診日数減少などを踏まえた診療報酬の検討や全体的な底上げが必要との考えを示した。

 日医が公表したデータによると、昨年度の医業収益は前年と比べ病院で1.7%増、診療所で1.1%増。このうち保険診療収益は前年と比べ病院1.5%増、診療所0.3%増だった。

 一方、個人病院、個人診療所を除いた法人の「損益分岐点比率」を見ると、病院では94.9%、診療所では95.0%だった。

 損益分岐点比率は、医業収益の変化にどれほど耐えられるかを示す。低いほど良く、一般に80%以下が優良。95%であれば、5%超の収益減少で赤字に転落する。

 日医は、保険診療収益について「診療報酬プラス改定分が重点投入された病院ですら1.5%の伸びにとどまった」とし、受診日数の減少を原因に挙げた。その上で、受診日数が大幅に減少すれば、診療報酬が引き上げられても医業収益は減少し得ると指摘。受診日数の変化や、平均在院日数の短縮化など、診療報酬改定以外の制度改革の進ちょく状況を踏まえて診療報酬を検討すべきとしている。

 また、損益分岐点比率に関しては、「患者数が5%程度減少することは十分あり得る」などとし、病院も診療所も危機的状況にあることから、診療報酬の全体的な底上げが必要と主張している。

 このほか、▽小児科の再生は引き続き重要課題▽医療経済実態調査の結果の取り扱いには注意が必要−などと指摘している。

 TKC全国会は税理士、公認会計士など約1万人の会員を持つネットワーク。株式会社TKCの開発した会計システムを利用して集積したデータを「TKC医業経営指標」として集計している。この日公表されたのは、TKC全国会の会員会計事務所が月次監査を実施している823病院、6494診療所の昨年度のデータを前年と比較したもの。



「報酬引き上げ」に医師はYes! 患者はNo!

 「診療報酬は引き上げるべき?」に対する、たくさんの投票とコメントありがとうございました。

 今回のテーマについては、日経メディカルオンライン(NMO)と日経ビジネスオンライン(NBO)の投票結果に、はっきりとした差が出ました。NMO(医師)では、「診療報酬は引き上げるべき?」との問いかけに対して、「Yes」が94%と圧倒的多数を占めました。一方、NBO(患者)では、「Yes」が42%で「No」が58%。一転して、「No」が多数派です。

 ただし、コメントを見る限り、「No」を支持する理由には、NMOとNBOでそれほど大きな違いはないようです。その主張は大きく分けて2つあり、1つは「削れる部分もまだまだあるはずで、必ずしも全体的に引き上げる必要はない」というもの。もう1つが、「報酬を引き上げても経営者の懐が暖かくなるだけで、勤務医には回らないから無意味」という見方です。

 前者の意見の背景には、「高い」と言われる開業医の報酬への疑問、経営に“ムダ”が多いと言われる自治体立病院への批判などがあるようで、これらの声は、NMO、NBOの双方から聞かれました。一方、後者は主にNMOの読者からの意見です。この問題に関しては以前から、医師に直接報酬を支払う方式(ドクターフィー方式)を求める声があり、診療報酬改定を話し合う場である厚生労働省の中央社会保険医療協議会でも議論の対象となりましたが、実現はなかなか難しそうです。

 このほかでは、「診療報酬の不正請求で不当な利益を得ている医療機関がある以上、それらの存在を無視して“引き上げ”を支持するのはいかがなものか?」「診療報酬を引き上げても、医薬品や医療機器メーカーの利益になるだけ」といった声も聞かれました。

 また、今回のNBOの結果を見ると、景気の影響も否定できない気もします。国民医療費は年々増加し、2006年には34兆円を超えました。一方で、世界同時不況の出口は見えず、新聞では最近、冬のボーナスは大幅減と報じられました。寄せられたコメントには窓口負担の増加を懸念する声はほとんどありませんでしたが、診療報酬の引き上げを納得してもらうのが難しいのは当然かもしれません。

 ここで1点だけ、前回の記事に対する補足をさせていただきます。診療報酬の改定率は、国民医療費の伸び率(もしくは減少率)とイコールではありません。同じ患者数と同じ医療行為を前提に、改定により国全体の医療費がどれだけ増減するかを試算したものです。つまり、高齢化などによる医療需要の伸びなどは加味されていません。その点は、誤解されませんようお願いいたします。

 また、自治体立病院の経営に関しては、診療報酬改定とは分けて話し合うべきではないでしょうか。公立病院の“ムダ”を前提に診療報酬のあり方を議論すれば当然引き下げの方向になってしまい、その結果、ほかの多くの病院に大きなダメージを与えてしまうことになりかねません。

 ちなみに、救急や小児科、産科など、医療崩壊が深刻化していると言われる分野への評価を引き下げるべきという意見は見られませんでした。そう考えると、「Yes」と「No」は、上記以外の分野への評価をどう考えるかで分かれたのかもしれません。多くの医師は他分野も現状は厳しく、全体的に引き下げるべきじゃないと考えており、一方のNBOの読者は、まだまだ引き下げの余地はあると感じているのでしょう。



 難しい問題です。もともと予算的に少ないというのがありますので。

 理想的なことをいえば、医療費そのものの増額、なんですが、それは今の不況時代には厳しい。

 しかし病院の「無駄」とされていますが、そこがちょっとワカランですね。確かに何かしらの無駄があるから、病院は赤字なんだろうと思われるかもしれませんが、そういわれている「無駄」というのは、ほとんどが患者さんのために行われているものなんですよね。私としては別に無駄ではないと思うのですが。

 勤務医は確かに開業医より薄給ですが、だからといって経営者が搾取するというわけではないですねぇ。むしろ病院は赤字ですので…。


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posted by さじ at 06:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | NEWS
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