総務省消防庁の「救急業務におけるICTの活用に関する検討会」(座長=織田成人・千葉大大学院医学研究院救急集中治療医学教授)は11月6日、今年度の初会合を開催いた。検討会は今後、心電図や傷病者の容態を画像で、救急現場から消防指令センターの指導医や搬送先の医師に配信した場合、指導医や搬送先の医師が映像を見ながら救急隊員に適切な指示ができるかなどを検証していく。
検討会では昨年度、石川県で救急車内から医療機関に、救急車内の心電図モニターの映像と搬送患者の様子の動画を携帯電話に送るシステムについて実証実験を行っている。
今年度の実証実験は、千葉市消防局管内をモデル地区に、千葉大医学部附属病院と千葉県救急医療センターを協力医療機関に定め、心肺機能停止状態、脳疾患、心疾患、重症外傷などの搬送患者で指導医の指導や助言が必要と判断されたものを対象に実施する。
画像などはまず、救急現場から消防本部指令センターに送信。指令センターがビデオ会議システムを通じて医療機関に転送する。ビデオ会議システムでは複数の医療機関と通信することも可能となる。実験は今月中に開始し、来年1月30日までの予定。
救急隊、指導医、搬送先の医師から調査表などのデータを集める。搬送先の医師からは、▽伝送された画像等によりどのような情報が得られたか▽その情報によりどのような判断ができたか▽その情報によりどのような指示、指導・助言を行ったか▽その情報は、病院の受入体制等に役立ったか―などを聴き取る予定だ。
これ実現したら、より救急医療で助けられる人が増えそうです。
現実的に、救命救急の救命率を上げる方法としては、ドクターヘリを完備すること、救急隊員が行える医療を増やすこと、そしてこの画像システムで搬送先の医療機関にリアルタイムで伝達することなどが考えられます。