中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬基本問題小委員会(委員長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は11月4日、9月末の基本小委で委員が説明を求めていた看護職員の需給状況について、坂本すが専門委員(日本看護協会副会長)からヒアリングを行った。坂本専門委員は「看護職員の需給は充足傾向にある」としながらも、全国的に離職率が高いことから、看護職員が働き続けられる労働環境の整備などを求めた。出産や育児などで離職した「潜在看護師」に関して、委員からは復帰に伴う教育費を診療報酬でカバーする必要があるなどの意見が出た。
坂本専門委員は、厚生労働省が2005年末にまとめた第6次看護職員需給見通しでは「全体の不足傾向は縮小している」としており、地域の偏在も医師に比べて小さいと説明。その一方で、常勤看護職員の離職率が全国平均で12.6%に上り、特に大都市圏で高い傾向が見られることから、労働環境整備の必要性を訴えた。
ヒアリング後、全国で55万人以上いるといわれる潜在看護師について委員から意見が出た。鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事)は、「勤務を続けながら仕事と家庭を両立できるようなライフスタイルに移行できないと、この問題は解決しないのではないか」と問題提起。嘉山孝正委員(山形大医学部長)は「潜在看護師が現場に戻れない大きな理由は『自信』だ。医学の進歩の中で技術が追いつかなくなっている」と指摘し、復帰のための職業訓練や教育費を診療報酬で賄う必要性があると強調した。
また、坂本専門委員は「潜在看護師の離職理由は労働条件の問題が大きい。責任の重さや医療事故への不安もあるので、何らかの形で考えていただきたい」と求めた。
んー、しかし診療報酬で教育費にあてるというのは現実的には厳しいような気もします。
看護師は憧れの職の1つといわれる割には、みんな現実に医療に携わると、結構な人数がドロップアウトしていってしまいます。
子育てやら何やらあるんでしょうけれど、そういったことは最初から分かっているのではないか、という気もしないでもないです。
よく「医者と結婚したいがために看護師になったんじゃないか」と皮肉られることもありますが、そうではないと信じたい。
もし医療という現場を真摯に捉えてやろうとしているのならば、復職に向けた何らかの対策は講じられるべきだと思いますけれど、大多数がそれを希望しない限り、病院側も何も出来ないでしょうねぇ。復職に向けて育成する場所を作ったとしても、毎年何十人単位であらわれないと、いきあたりばったりになってしまって、なかなか形として成果を挙げることができないのでは?
要はやる気の問題か。今現在本気で復職したいと考えている人が10000人ぐらいいれば変わるのかもしれません。