日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)に基づき、看護師と介護福祉士の候補者を受け入れた病院・介護施設計100カ所の少なくとも7割強が、資格取得のための国家試験で日本語の振り仮名をつけたり、母国語の選択肢を設けたりするなど、何らかの配慮をすべきだと考えていることが朝日新聞社のアンケートでわかった。「試験に合格できると思う」と答えたのは2割に満たず、日本語の習熟がなお、厚い壁になっている実情が浮かんだ。
インドネシア人が働く全国の病院47カ所と介護施設53カ所を対象に、9月下旬から10月上旬にかけてアンケートを送付。「施設側の方針」などが理由の回答拒否を除く86カ所から回答を得た。
国家試験の受験方法について意見を聞いたところ、最も多かったのは「日本語の振り仮名をつける」で32カ所。「母国語や英語での選択肢を与える」も28カ所あった。「褥瘡」(床ずれ)、「仰臥位」(仰向けに寝た姿勢)など専門用語の多さや漢字の難しさが主な理由で、「その他」に記入のあった「受験回数を増やす」「試験時間の延長」なども含めると、71カ所(病院30、介護施設41)が何らかの変更を求めていた。
一方、「特段の配慮をすべきでない」は13カ所。このうち9カ所が病院で、日本人との平等性や医療事故の防止などが理由だった。
厚生労働省は「日本の法令に沿った資格付与が協定で決まっており、試験水準を下げることは考えていない」と受験方法の変更に否定的だ。それでも受け入れ側の要望が強いのは「このままでは合格できない」との危機感がある。
現段階での日本語能力に対する評価は、「不満」「やや不満」を合わせて56%。学習時間については、45%が「足りていない」と回答し、理由として「教える側の体制不足」などが目立った。
合格見通しは「合格者を出せると思わない」が33カ所(38%)で、「思う」の15カ所(17%)を大きく上回る。さらに、受験機会を増やすなどの理由で全体の58%が「在留期間の延長」を求めた。
まあ難しいですわな、これは。
いくら外国人看護師とはいえ、現場は日本なわけですから、日本の看護師と同じ試験内容にすべきですし、厳しい言い方をしてしまえば仰臥位ぐらい読めるようでないと日常業務に支障を来たすと思います。カルテでは当たり前のように書きますし。
ただ、そのための準備期間が圧倒的に短いことと、その負担を各医療機関に強いるというのは少し酷です。英語のような簡単な言語ならまだしも、日本語というのは異常に難しい言語ですからね。日本語を話すだけでなく、ひらがな、カタカナ、漢字を交えて読み書きしなければならないというと、どんなに頭の良い人でも何年もかかるでしょう。
最初だけは、少し簡単にしてもいいのかもしれません。既に夢をもって来た優秀な外国人看護師を日本に招致したのは日本政府の責任でもあります。
外国人看護師が馴染んできたら、本国側でも日本に行くための準備として日本語を学ばせることができるようになるでしょうし。