自然界に広く存在し食中毒の原因にもなるセレウス菌の胞子は、シリカガラスの殻で覆われて、強い酸性の環境でも身を守ることができるとの研究結果を、広島大の黒田章夫教授(応用生物工学)、広田隆一助教(微生物遺伝学)らが30日までにまとめた。
カイメンの骨など体の形を保つのにガラスを使った生物は知られているが、黒田教授によると、酸に強い性質の利用を確認したのは初。実験で、水素イオン指数(pH)1という極めて強い酸性の環境でも数時間生存できたという。
黒田教授らは、セレウス菌の培養環境にガラスの原料となるケイ素を加えて実験。胞子が成長するとともにガラスが外側に蓄積した。研究室で実験する場合は通常、不純物を除いた水を使うためケイ素が供給されず、これまでガラスの形成が確認されなかったのではないかという。
黒田教授によると、2001年に米国で起きた炭疽菌事件で、セレウス菌の近縁にあたる炭疽菌の胞子の外側にガラスが確認されたが、原因や働きは不明で謎とされていた。
菌ってすごいですね。
珪素まで利用して、酸などに耐えられるようにしているとは。