難聴や激しいめまいを伴うメニエール病の原因とみられる耳の病変を、大阪市立大の山根英雄教授らが見つけた。
これらの症状は平衡感覚をつかさどる耳の奥の「内耳」にリンパ液がたまって水ぶくれになり、正常な機能が損なわれて起きるが、原因は不明だった。
山根教授らは内耳にある炭酸カルシウムの集まったもの(耳石)から小片がはがれ、液が流れる管を詰まらせるのを確認した。メニエール病は国の特定疾患に指定されている病気だが、今回の成果で詰まりを除去する根本的な治療法の開発などに期待が寄せられる。
耳石は、人間の内耳にある袋に入っている。山根教授らは、メニエール病の患者12人と病気のない12人の協力を得て、耳石の入った袋のうち「球形のう」と呼ばれるものとその周辺をCTで観察した。
患者8人で、袋の真下にある直径0・1ミリほどの管に耳石からはがれた小片がたまっている様子が確認できた。他の個所が詰まっているとみられる患者4人に病変はなかった。
めまいという症状は、日常生活をおくる上でかなりつらい症状の1つです。
メニエール病は回転性めまいと蝸牛症状を来たす代表的な難病ですが、内リンパ水腫が原因と分かってから、治療薬としてイソソルビドや、外科手術による治療が可能となりました。
確か最近ではMRIによる画像診断も出来つつある、ということです。
その原因となる、内リンパ水腫が何故起こるのか、という原因を突き止めた今回の研究。
この耳石の詰まりを取り除けられれば、メニエール病の完治も可能、かもしれません。