徳島文理大学薬学部の葛原隆教授(43)=生化学=の研究グループが、緑茶の渋み成分のカテキンに、インフルエンザウイルスが増殖するために不可欠なタンパク質の働きを抑える効果があることを突き止めた。新型インフルエンザウイルスの治療薬開発につながると期待される。
インフルエンザは、ウイルスが人などの体内で増殖することで発症。ウイルスの増殖は、三つのタンパク質からなるウイルスの酵素「RNAポリメラーゼ」が人の遺伝子に結合することで起きる。
葛原教授らは、インフルエンザウイルスから酵素を抽出。これに代表的な5種類のカテキンを加えて反応を調べたところ、エピガロカテキンガレートとエピカテキンガレートの2種類でウイルスの増殖が止まった。
この結果を受け、ウイルスの酵素分子と2種類のカテキンの立体構造をコンピューターで解析したところ、酵素分子の表面にあるくぼみにカテキンが結合し、すっぽりと収まっていることを確認。カテキンがウイルスの酵素と結合することで、人の遺伝子との結合を阻む働きをしていることが明らかになった。
カテキンは腸で分解されるため、緑茶を飲むだけでは効果は期待できない。葛原教授は「カテキンの構造を変え、腸内で分解されないようにすれば効果的な治療薬ができる」と話している。
研究内容はインフルエンザの研究成果を発表するため、今夏インターネット上に開設された「PLoSカレントインフルエンザ」に13日掲載された。日本人が同サイトに発表するのは初めてという。
胃で。カテキンも胃で分解されて効果を失ってしまうんですねぇ。
日本人にとってはお茶に含まれるカテキンのおかげで胃がんが少ないといわれているほどです。
そのカテキンを用いた治療薬が出来れば、まさに日本ならでは。身体にも害はなさそうですし、期待したいところです。