京都府立医科大(京都市上京区)は14日、認知症の兆候の早期発見を目指す「認知症・脳検診」を始めると発表した。新たにNIRS(近赤外線分光法)装置を使い、前頭葉活動の測定結果も踏まえて総合判定する世界でも例のない検査という。
口頭の質問や筆記で行う認知機能検査(MMSE)に加え、脳の病変を調べるMRI(磁気共鳴画像装置)、血流の状態から脳の活性化を調べるNIRS装置による検査を実施する。認知症につながるような軽度の機能障害があるかどうかを、神経内科医が総合的に判定する。
NIRS装置による検査は、動物や野菜の単語をできるだけ多く言ってもらいながら、前頭葉がどのように活動しているのか、反応の遅れはないかなどを血流から判定する。
この日、山岸久一学長が装置を付けて実演した。途中で単語が途切れ、苦笑いする場面もあったが、脳の反応は良好だったという。
担当の中川正法教授(神経内科学)は「認知症は薬だけでなく、周囲が配慮することでも進行を遅らせることができる。早期発見につなげたい」と話す。
検診は20日から週1回1人に実施する。研究のための奨学寄付として1回10万円が必要。
これは有用な研究だと思います。
認知症が発症してしまうと、既に脳の機能が低下している状態ということになりますが、本人にとってはその発症すらも分からないことがしばしばです。認知症を画像検査によって早期に発見することができれば、発症を遅らせることができるでしょう。保険適用というわけではないのでお金はかかるでしょうけれど、やる価値はあると思います。
関連:アルツハイマーの誘引3遺伝子を英仏チームが発見する。