国立科学博物館(東京・上野)は6日、次世代に引き継ぐべき重要な科学技術史資料(愛称・未来技術遺産)として新たに22件を選び、所有者に登録証を授与した。本県からは弘前大学医学部の「エックス線回転横断撮影装置」が選ばれた。選定は昨年度に続き2回目で、本県からは初めて。
エックス線回転横断撮影装置は1953年、弘大医学部の故高橋信次教授が試作し、世界で初めて人体の断面写真の撮影に成功した。現在のCT(コンピューター断層撮影)の先駆けであり、放射線診断に革新的変化をもたらしたとして高く評価された。回転撮影法を発見した高橋教授に対し、東奥日報社は49年、東奥賞を授与した。
装置を現在所有している医学部同窓会「鵬桜会」の石戸谷忻一会長は「戦後の物資の乏しい時代に研究に取り組み、世界に向けて発信した高橋先生は、卒業生の誇り。この装置は弘大の宝だ」と登録を喜んでいる。今後、医学部内にスペースを設け、装置を展示する予定という。
未来技術遺産はほかに、今や全盛のデジタルカメラの試作機や、家庭用ビデオの時代を切り開いたベータ方式のVTR1号機など、生活や文化、産業に大きな影響を与えた機器や物品が対象となった。
登録資料の写真や情報は、同博物館のホームページで見られる。
かなり、偉大な発明だと思います。
最初は解像度とかも荒かったらしいんですけど、今ではもうこんなにもクッキリ細かく見れてしまうのかというほど。
診断技術の向上のおかげで、CTも普及し、見事、疾患の早期発見に役立っております。