世界保健機関(WHO)は25日、抗ウイルス薬タミフルが効きにくい耐性の新型インフルエンザウイルスが、世界で28株報告されたと発表した。耐性ウイルスが生まれる原因に予防投与を挙げ、原則として控えるよう勧告した。
世界で1万株以上の新型インフルウイルスが分析され、28株がタミフル耐性だった。そのうち予防投与された人からが12株と多かった。
予防投与は、感染者と濃厚に接触した人の発症を防ぐため、症状がなくてもタミフルをのむ方法。耐性が生じやすくなる可能性があるが、理由ははっきりしていない。WHOは「予防投与に代わり、注意深く観察し、症状が出たらただちに抗ウイルス薬を投与するように」としている。
WHOは、耐性ウイルスの発生が疑われたら、タミフルの使用をすぐにやめ、別の抗ウイルス薬リレンザに切り替えることも勧告した。
厚生労働省は、秋の大流行に備えて作成している運用指針の改正案で、特に理由がない限り予防投与は推奨しないとしている。ただし、基礎疾患を持つ人には医師の判断で実施できるとしている。
全世界、それこそ人類全体として、感染症には立ち向かわなければいけません。
自分さえよければ、という考えで、安易に薬を中止したり、処方目的以外の使用法などをして、耐性菌や耐性ウイルスを作ってしまうというのは愚の骨頂。正しく薬を飲むようにしてください。
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