C型肝炎の治療が効くか効かないかは、人の遺伝子のわずかな違いが要因の一つになっていることが、国立国際医療センターの溝上雅史肝炎・免疫研究センター長と名古屋市立大の田中靖人准教授らのグループの研究でわかった。14日付の米科学誌ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に発表される。
C型肝炎はウイルスが原因の病気で、日本人に最も多いタイプでは治療薬「インターフェロン」と抗ウイルス剤「リバビリン」の併用療法が有効とされている。しかし、約20%の患者は効きづらく、治療を受けてみないと効果がわからなかった。
このため、効きづらい患者は、月数万円の薬代が無駄になったり、発熱やうつ病などの副作用が出かねない危険を抱えながら治療を続けなければならなかった。近く数千円の遺伝子検査キットが開発できるといい、治療前に血液を検査することにより、こうした問題を避けられるという。85〜95%の確率で、事前に薬が効くかどうかの見極めができるとしている。
薬が効かないのは、C型肝炎ウイルスの遺伝子変異が要因との研究がすでにあったが、約400人の患者の血液を調べたところ、DNAにある個人ごとのわずかな違い(遺伝子多型)が特定の領域にある人は、ない人と比べ、薬が30倍効きにくかった。
いわゆるペグリバ療法について。
C型肝炎ウイルスの血清型でいうと、1型は日本人に多く、インターフェロンが効きにくいとされています。
2型にはインターフェロンが効きやすいタイプです。
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