7歳の子どもの両足に赤い斑点が出て「紫斑病」と診断されました。その後、尿からたんぱくが出て「紫斑病性腎炎」と言われました。どのような病気か教えてください。
たんぱく尿 長引いたら検査
紫斑病は、皮膚の下で内出血を起こし、赤紫色の斑点ができる病気です。
様々な種類がありますが、お子さんは「アレルギー性紫斑病」と思われます。これは、3〜10歳の子どもに多く、20〜60%に腎炎を合併します。予防の手だてがなく、通常、斑点が出てから1か月以内に発症します。
「溶連菌感染症」などの感染症や、食物アレルギーなどが一因と考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。腹痛や関節痛といった症状が出ることもあります。
血尿や、少量のたんぱく尿が出る程度なら、数か月で自然に治ることも多いですが、たんぱく尿が半年〜1年以上続くようであれば、詳しい検査をします。
特に、〈1〉むくみや高血圧などの症状が出る〈2〉血尿と多くのたんぱく尿が長期間出る〈3〉たんぱく尿が多く出て血液中のたんぱく質が減る「ネフローゼ症候群」や腎機能の低下などがある――場合は、早めに治療を始めた方が良いと思います。
ステロイド薬や免疫抑制薬、抗血小板薬を使ったり、血液を体外循環させて成分を浄化させる「血漿交換療法」を行ったりします。こうした治療で重症になる子どもの数は減ってきました。
へんとう炎などを起こし、血尿やたんぱく尿が出る場合は、感染症の治療が必要です。また、たんぱく尿が続く場合や運動をして血尿やたんぱく尿が出る場合は、激しい運動を制限しなければなりません。
この病気に詳しい小児科医を受診し、相談してみてください。
内山 聖・新潟大病院小児科教授
腎臓は大事な臓器です。子供の場合、このような紫斑病性腎炎などが原因で、腎機能が低下する可能性があります。適切な治療を行うことで、重症化することは減ってきましたが。
異常を感じたら、すぐに大きな病院へ。