2009年09月16日

食べながら呑むと酔いが回りにくいことをアサヒビールが実証する

アサヒ、「食べながら飲むと酔いがまわりにくい」を飲酒試験で立証

 アサヒビール株式会社(本社 東京、社長 荻田伍)の「食の基盤技術研究所」は、日本医科大学・法医学教室との共同研究により、飲酒時に食事を摂取することでアルコールがもたらす種々の生理的影響を緩和できること、また、焼酎とビールを試験に用いることで、飲む酒類によってその生理的影響が異なることを明らかにし、来る9月18日(金)〜20日(日)開催の日本臨床栄養学会にて発表します。

 アルコール摂取がもたらす健康への影響については良い面と悪い面があることが知られています。アルコールがもたらす恩恵を享受するには、過度な飲酒を控え適正飲酒を心掛ける必要があります。「食の基盤技術研究所」では、アルコール摂取による生理的な影響を、個々人のアルコールに対する体質や飲酒の諸条件を踏まえて明らかにし、それを適正飲酒啓発につなげることで、飲酒による社会的・健康的諸問題の発生予防と、よりよい飲酒文化の構築を目指して研究を推進しています。

 日本人のアルコールを代謝する能力は、遺伝子のわずかな違い(遺伝子多型と呼ばれています)によって異なることが知られています。よって、日本人に対するアルコールの生理的影響を調べるには、この違いを考慮する必要があります。私たちは、この度、お酒が普通に飲めるタイプ(アセトアルデヒド代謝遺伝子が正常ホモ型:ALDH2 1/1で、日本人の約6割程度)の健常成人男性をまずは対象とし、飲酒後のエタノール濃度をはじめ各種の生化学検査値の経時的変動等について詳しく検討を行ないました。

 試験日の朝、空腹(12時間何も食べていない状態)のまま試験会場に来て頂き、ビールあるいは焼酎(アルコール量として0.4g/kg体重)およびテストミールを摂取後、30分あるいは60分間隔で採血や血圧測定等を行いました。得られた血液について、血中エタノール濃度や各種血液生化学検査項目(血糖、中性脂肪、乳酸、ピルビン酸等)の測定を行いました。被験者15名が一定の間隔をあけて5回の試験をすべて行いました。

 今回の試験ではお酒に強いタイプの男性を対象者として適正飲酒範囲のアルコール量を摂取した結果、食事を一緒に摂取するとアルコールの急激な濃度上昇を抑えて消失を早めることで、種々の生理的な影響を緩和できることが確認されました。さらに、糖質を含む醸造酒であるビールと蒸留酒である焼酎とでは、同じアルコール量を摂取しても生理的な変化が異なることが分かりました。



 同じアルコール量を摂取しても変化が異なる、というのはちょっと驚きですね。

 今まで「ちゃんぽん」が悪い理由は、色々なお酒を飲むと、自分がどれだけアルコールを摂取したか分からない、というのが理由でしたけれど、この結果を見るとアルコール量以外にも、何らかの複合的理由があるのではないか、と思ってしまいます。

関連
医学処:飲酒するときに食べたほうがいい料理とは。
医学処:酒を飲むと顔が赤くなる日本人は食道がんになりやすい。
医学処:アスパラガスには癌抑制作用だけでなく二日酔い軽減作用もある


広告
posted by さじ at 00:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック