豊岡市戸牧の公立豊岡病院(竹内秀雄院長)は2日、耳鼻科の救急患者受け入れを12日以降停止すると発表した。耳鼻科の常勤医2人が今月末で退職するためで、常勤医不在の事態となる。
これまで常勤医3人体制で診療してきたが、今年3月末、大学院に進むため1人が退職。今回辞める医師は、1人が開業、もう1人は県外の病院に移るという。豊岡病院は、医師派遣を受けている京都大医学部に補充を求めたが、今年中は無理と回答があった。
入院や手術が必要な患者受け入れはすでに7月末に停止しており、10月以降は非常勤医師が外来診療を火〜木曜の週3回(火、水曜は午後のみ)行う。
耳鼻科では1日平均2件の救急患者を受け入れ、昨年の手術件数は170件。但馬地区で耳鼻科の救急や手術の受け入れられるのは、公立八鹿病院(養父市八鹿町)だけになる。
竹内院長は「京大に依頼して4月には後任を確保したい。豊岡病院組合の奨学金制度で但馬出身の医師が育っているので、将来的には医師不足は解消できる」と話している。
耳鼻科というジャンルはかなり特殊で、内科的治療だけでなく手術も自身で行います。ですが当然、大きな病院で勤務している耳鼻科医でなければ手術は出来ません。開業に流れると、救急疾患に対応できなくなってしまうというのはありますね。勤務医が優遇されるような医療体制を整えることも、今後の日本の医療を守る上で必要なことでしょう。