島根県内の20医療機関と島根大医学部、県が、島根外科ネットワークを設立した。外科医師の養成、働きやすい環境づくりの実現に向け連携する。
出雲市で5日あった初会合には、県内全域から基幹病院の院長や副院長、県健康福祉部の錦織厚雄部長らが出席。会則を定め、代表世話人に中川正久・県参与を選んだ。
県医療対策課によると、昨年10月現在、県内の病院勤務の外科医師は113人で、2年間で10人減。「松江、出雲両市を除くすべての地域で不足している状況」という。若い医師は、指導医がいて多くの症例を経験するなかで技能向上が図れる都市部の病院を目指す傾向が強いという。
組織の枠を超えて症例を学びあえる態勢をつくり、若い医師が専門的技能も身につけられる環境を整え、中長期的視点で医師確保に結び付けていくことを確認。事務局を島根大医学部の消化器・総合外科に置く。世話人会(5人)を中心に具体的事業を決めていく。
会合では、県西部の病院が現在、直面している医師不足の早急な解決をネットワークの活動の柱にするよう求める意見も出された。発起人の田中恒夫教授は「若い研修医に専門医になれるんだ、という環境をアピールし、残ってもらえるようにしたい。ひいては各地域で外科医師が増えることにつながる」と話している。
こういう画期的な案を待っていました。地方だからといって専門医療が都市部に劣るわけではないとは思いますが、都市部に比べると若手をひきつけるために本気で考えてこなかった感は否めません。
こうやって、本腰入れて、若手育成のために組織が協力してネットワークを立ち上げる。素晴らしいことだと思います。案外都市部にいくよりも伸びるかもしれませんね。短絡的に考えるのではなく未来を見据えて行動することが大事です。